耳の中にカビ?「外耳道真菌症」にならないために
耳の中が気になるなと綿棒で掃除してみたら、黒い汚れや悪臭のする耳垂れが付いたりしたら要注意!
もしかしたら「外耳道真菌症」になっている可能性があります。
「外耳道真菌症」とは
外耳道に真菌(カビ)が感染することで起こります。
通常の状態では、外耳道には定在菌と呼ばれる細菌や真菌(カビ)が常に存在し、その数のバランスが保たれているために炎症は起こることはありません。
ただ耳かきのし過ぎやイヤホンの装着による蒸れにより、外耳道炎になるケースがあります。
炎症が起こることにより通常のバリア機能が低下すると、真菌が感染し「外耳道真菌症」となる場合もあるのです。
症状としては、かゆみや痛み、耳が詰まっている感じなどがあげられます。
かゆみがひどくなるとつい耳かきをしてしまい、さらに外耳を傷つけて悪循環になることも多く、このようにこじれてしまうとなかなか治りません。
治療には、カビの除去や抗真菌薬の軟膏や内服などを行います。
治療が長引くことも多い病気のため、気になる症状がある場合はなるべく早めに耳鼻科を受診しましょう。
また再発しやすいため、症状が治まったからといって勝手に通院をやめてしまうとまた悪化してしまう可能性があります。
ひどくなると耳の強い痛みや、聴力の低下に繋がることもあるため、完治するまできちんと通院しましょう。
耳かきの習慣を見直そう
外耳道炎の原因の一つに耳そうじのやり過ぎがあります。
外耳道の皮膚は薄くデリケートなので、特に竹製などの耳かきで頻繁に耳かきをすると、皮膚の表面が傷つき細菌が増殖しやすくなってしまいます。
そもそも溜まったた耳垢の多くは勝手に外へ出ていくため、無理に除去する必要はありません。
どうしても気になる場合は月に1〜2回ほど、耳の入り口約1cm付近を軽く掃除するだけで十分です。
イヤホン・ヘッドホンの装着にも注意
長時間のイヤホン装着により、耳の中が蒸れてしまうと外耳の環境が悪くなり、真菌に感染するケースがあります。
特に近年ではスマホの普及によりイヤホンを装着する機会も多く、またより耳にフィットするような気密性の高い商品が出ていることもあり長時間の使用には注意が必要です。
イヤホンを使う際はずっと付け続けるのではなくたまに耳を休憩させ、耳の中の換気をおこないましょう。